本町では、毎年のイトウの繁殖状況や幼魚の生息状況を調査し、過去の結果と合わせて生息状況を把握し、順応的管理の考えに基づき翌年の保護区や保護期間を設定しています。
①産卵保護区・保護期間について
イトウは、在来のサケ科魚類で唯一春に産卵をします。
雪解けの3月下旬から4月下旬にかけてかなやま湖から空知川を遡上し、5月に上流域で産卵します。
全体の産卵期間は概ね40日間で、1匹のメスは平均3日間かけて産卵します。オスは繁殖期間中はメスを探して動き回ります。
メスは、3日間のうち、産卵に適した砂利(直径3㎝程度)が堆積した場所を厳密に選び、河床にくぼみを掘り、産卵します。
産卵を終えるまでのメスは非常に神経質です。
これを平均5回繰り返します。卵を産み終わって川を降りるころには、尻ビレや尾ビレのヌルヌルは取れてしまう個体が殆どです。
オスは、期間中に繁殖河川内を往復し、メスを探します。
運が良ければ何度もメスと産卵します。
しかし、メスに出会えても、他のオスに奪われることも多々あります。
ペアになっても他のオスに見つかると、中型サイズのオス同士の場合は特に、メスを巡るバトルが勃発します。背ビレから尾ビレの間を激しく噛み合います。
これを期間中に何度も繰り返します。その結果、繁殖期後半では背ビレから尾ビレにかけて体表面のヌルヌルがほぼなくなるだけでなく、ヒレが裂けていたり傷だらけだったり・・・
体力的にもヘロヘロになります。
繁殖期前や期間中は、自分の子孫を残すのに必死。同時に自分の身を守るのに必死です。
なので、産卵間近の個体を釣ると、リリースしたとしても正常な産卵行動を行わなくなってしまいます。その結果受精率や孵化率が低下します。
場合によっては、産んだ卵が全て不受精だったり、受精卵の細胞分裂途中で死んでしまっていたり・・・
正常に子孫を残せません。
産卵期が終わったら、消耗した体力を回復させなくてはなりません。
体表面のヌルヌルが取れた状態ではすぐに水生菌等に侵されて死んでしまいます。
となると、翌年以降に子孫を残せません。
末永くイトウ釣りを楽しむために、デリケートな時期のイトウ釣りを自粛していただきますようご理解とご協力をお願いします。
②冬季保護区・保護期間について
近年、本町のイトウ個体数は増加傾向ではありますが、冬季の保護区・保護期間におけるイトウの穴釣りを自粛していただきますようお願いします。
③生息保護区・保護期間について
かなやま湖の一部では周年にわたり、イトウを含め全ての魚種の釣り自粛をお願いしています。
近年、イトウの調査中に上あごの一部が欠損していたり、片目が失明していたり、エラぶたの一部が欠損している個体が増えています。
釣りだけが原因ではありませんが、明らかに釣り針によるものもいます。
釣られる頻度が高いと、損傷する確率も高くなります。
傷の度合いによっては、治癒できずに死亡するリスクも高くなります。
不慮の事故を防ぐためにも、イトウの安住の地として生息保護区を設けています。
これは、イトウだけでなく、イトウの餌となる他の魚のためでもあります。
生息保護区は、釣り場環境として魅力的ではありますが、上記をご理解いただき、ご協力をお願いします。
※当該区域で、釣り人を見かけた際は、教育委員会(☎0167-52-2145)生涯学習係までお知らせください。